ストーリーというのはあらすじのことで、時間軸に沿って小説内の事実を要約したものです。
プロットというものは、物語ともいわれるもので、ストーリーをある視点から読み解いていったものです。
たとえば・・・夏目漱石の『こころ』
ストーリーはこんな感じです。
先生がKの恋人(静)をうばって結婚し、のちにその話を主人公のわたしが聞き出す」
でも、読みの枠組みを設定して違うプロットを見つけだすこともできます。
たとえばぼくの大学の先生である石原千秋先生は、こんなプロットを見つけだしました。
「私が先生の奥さんを略奪する物語」
ギリシャ神話の「オイディプス王」では息子が父親をそれと知らず殺して、自分の母を娶ってしまいます。さらにその息子も自分の子供に殺されます。繰り返す親殺しの悲劇。その物語構造を「こころ」にもあてはめることができるという話です。
そうしたプロットを「こころ」の読みの枠組みとして持ってきて、小説を読みなおすと小説は細部がまるで変わってきます。
詳しくは石原先生の論文をご参照。
もっとわかりやすく砕いた本を最近書かれたと思うんですが、わからないから自分が知っているこの本で・・・
こういう小説読解の話はコミュニケーション論にもつながっています。

(有名なヤコブソンのコミュニケーション論の図式)
作文にしても発話にしても、作者と読者とテクストという関係にしてしまって、それがどう作用しているのかをみれば、コミュニケーションの現場で何が起こっているのかを見ることができます。
日本語の会話教育にもこういう理論は活かせるはずですが、すでに頭がなまってうまく考えられません。
ひまになったらそのうち・・・
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